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永山博基「未知の距離」を冷静に逆転 初優勝を五輪代表選考会への弾みに 【長野マラソン男子 上位成績付き】

2025-04-21T09:58:53+09:00

 長野市で20日に行われた第27回長野マラソンで、男子は35キロ過ぎに先頭に出た初マラソンの永山博基(住友電工)が2時間12分56秒で優勝し、女子はスタート直後から一人旅の森田歩実(東京メトロ)が2時間32分58秒で初優勝した。

 男子は20キロ過ぎから永山と秋山清仁(愛知製鋼)の争い。永山は30キロ過ぎで遅れたものの35キロ過ぎに逆転した。秋山が2時間13分27秒で2位、一昨年優勝の西研人(大阪ガス)は2時間15分48秒で3位だった。2028年ロサンゼルス五輪代表選考会MGCの出場資格「2時間9分0秒以内」には届かなかった。

 女子は森田に続き、伊藤千文(MRA)が2時間37分43秒で3年連続の2位。

 併設の県選手権の男子は桃沢大祐(MORE)が2時間27分11秒、女子は高木実穂(ながでんスイミング)が3時間6分35秒で優勝。視覚障がい者の部の男子B1は小林丈二(天白川走友会)が4連覇した。

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■最長のレースは16キロ 「スタミナ配分を考えた」

 一度は離されても冷静にペースを守って逆転した。初マラソンを優勝で飾った28歳の永山は「スタミナ配分を考え、しっかり走り切ることが目標だった。次につながるレースになった」と現状の力を出し切った。

 鹿児島実高から早大に進み、箱根駅伝を3度走った。ただ、実業団に入ってから目立つ成績はなく、最長のレースは全日本実業団対抗駅伝の約16キロだったという。マラソンを目標にしながら、故障が多かったりトラックで達成したいことがあったりして「うまくかみ合わなかった」。

 当初は2月の大阪を目指していたが、1月に体調を崩した影響で長野への出場に切り替えた。スタートラインに立つことを最優先し、故障に注意しながら慎重に練習を積み重ねて「未知の距離」に挑んだ。

 中盤まではペースメーカーがつくるレースを「無心で走っていた」。31キロ過ぎで仕掛けた秋山に一時は10秒以上遅れたが、「自分のラップを刻み、トータルでマラソンをしっかり走る」とペースを維持。秋山のペースダウンもあって追い付き、差を広げた。

 「ワンチャンスあるかもしれない」と考えていた28年ロサンゼルス五輪代表選考会MGCの出場権獲得には届かず、「あらためてチャレンジする」。今大会を弾みに飛躍を目指す。(小平匡容)

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■2位は秋山清仁「最後でペース上げられず」 3位の西「うまく走れなかった」

 男子招待でともに2時間8分台の自己ベストを持つ秋山と西は2、3位。秋山は果敢に勝負をかけたが、終盤に失速して31秒差で敗れた。一昨年の覇者の西は18キロ付近で遅れ、2時間15分台と振るわなかった。

 ペースメーカーが離脱した後、永山と一騎打ちになった秋山は「優勝するため、ポイントだと思っていた30キロ過ぎのアップダウンで仕掛けた」。しかし、先頭に出た後に手脚のけいれんでペースダウン。「最後でペースを上げられず、実力不足」と話した。

 西はレース前から体調が良くなかったという。「動きはいっぱいいっぱいではなかったが、うまく走れなかった」と言葉少なだった。

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 【男子総合成績】

(1)永山 博基(住友電工) 2時間12分56秒

(2)秋山 清仁(愛知製鋼) 2時間13分27秒

(3)西  研人(大阪ガス) 2時間15分48秒

(4)辻村 公佑(大阪ガス) 2時間18分1秒

(5)シューリー・イーサン(兵庫県)2時間18分13秒

(6)橋本 尚斗(大塚製薬) 2時間18分34秒

(7)大橋 秀星(小平市陸協)2時間18分56秒

(8)吉冨 裕太(西鉄)   2時間19分33秒

(信濃毎日新聞)

中盤で競り合う優勝した永山博基(右)と2位の秋山清仁