2025.04.19
MGC切符を取るためレースの感覚取り戻す 招待選手・秋山清仁さん(愛知製鋼)

元日の全日本実業団対抗駅伝で2区(21・9キロ)を走った後、右膝を痛めた。その影響で、出場予定だった2月の大阪を断念。2023年10月のパリ五輪代表選考会MGCを最後にマラソンから遠ざかる秋山清仁(愛知製鋼)は、感覚を取り戻すためにも長野への出場を決めた。
22年12月の福岡国際で日本人トップの2時間8分43秒で7位になり、MGC出場権を獲得した。「自分でも驚く結果。自己ベストは出るだろうと思っていたが、MGC出場が決まるとは思っていなかった」と振り返る。
MGCは終盤のペースアップに対応できず23位。雨の中でも集中力を切らさない上位選手との実力差を感じた一方、「そういう選手たちと走る機会がなく、肌で感じることができたのは良かった」と収穫を挙げた。
22年の福岡国際は18秒差で赤崎暁(九電工)に競り勝った。同じく自己ベストだった赤崎はMGCで2位と躍進し、パリ五輪は6位入賞。秋山は「練習方法や調子の合わせ方を見直せば、大きな舞台に立てるのではと身近に感じられる機会になった」と刺激を受けた。
右膝が回復した2月から長野に向けてマラソン練習に入った。3月初めに胃腸炎で3日ほど練習を休んだ以外はほぼ順調。これまで40キロ走と35キロ走をともに2回入れるなどして準備を進めた。
当初、長野はペースメーカー不在と聞いていたため、終盤まで先頭集団の中で力を温存し、記録よりも勝負優先を考えていた。4月に入ってペースメーカーの参加が決まり、記録狙いも可能に。「チャンスがあれば最後は自分でペースを上げていきたい」と話す。
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[あきやま・きよひと] 日体大3、4年時に箱根駅伝の山下り6区で2年続けて区間新記録を出して区間賞を獲得、4年時は大会最優秀選手にも選ばれた。自己ベストはマラソンが22年12月の福岡国際でマークした2時間8分43秒、1万メートルが28分38秒52、ハーフマラソンが1時間1分23秒。東京都出身。30歳。
(信濃毎日新聞)
1年半ぶりのマラソンに挑む秋山清仁