第4回長野マラソン報告
出場者からボランティアから
出場者側から
応援はトップクラス
 長野マラソンを今年も完走することができました。4年連続参加しているが、今年は今までで一番苦しい走りとなった。
 過去の大会と比べて練習量は約半分だったので、苦しさは予想した通りだった。それを和らげてくれたのが、信州の豊かな自然であり、沿道の温かい声援だった。
 前半はまだ景色を見る余裕があった。遠くの山並みを見たり、リンゴなどの農作物を見たりして、季節の移り変わりやのどかな風景を堪能した。例年より暖かいことから、桃の花や草花の美しさは格別であった。
 しかし、後半は練習不足がたたり、疲労困ぱい。ここで力を与えてくれたのが、沿道の温かい応援だった。
 これまでハーフや30kmなどを含めて、マラソン大会に146回参加したが、「応援の質」という点で、長野マラソンの応援は、間違いなくトップクラスと言えるだろう。応援する一人ひとりの声援に心がこもっていることと、ランナー一人ひとりに声援が投げかけられるからである。
 沿道で応援してくれたみなさんと、大会関係者に心から敬意を表したい。もちろん、来年も参加するつもりだ。                               
長野県塩尻市 工藤 克己(46)=会社員

僕らはトップランナー
 私は光を少し感じる程度の視覚障害者ランナー。30歳半ば頃から病気で徐々に視力を失いました。会社を辞め、希望を失いかけていた時、再びマラソンと出会ったのでした。風を切り、降り注ぐ太陽の光の下、思いっきり汗を流す喜び。なくしかけていた自分を取り戻す事のできるひとときです。
 「大きく右へカーブしますョ」「ハイ 段差! 気をつけて」「今、桜が満開デース」などと、長さ30cmほどのひもの両端を、それぞれ伴走者と握り合い、時には冗談を言い合いながら言葉かけをして走る。現職の市会議員としての私にとってマラソンは季節の変化や街の様子を知るうえで、大切な情報手段のひとつでもあります。
 そして伴走者は視覚障害者にとっては無くてはならない大切なパートナー。文字通りの二人三脚です。
 ところがレース直前になって、その大切なパートナーが出場できなくなってしまったのです。どうしても代わりのパートナーが見つからない。半ば出場をあきらめかけていたところへ、大会事務局からのうれしい知らせ。「何とか伴走者を探してみます 」。私は息を吹き返しました。長野高専の渡辺先生が自ら伴走をかって出てくれたのです。
 まだ会った事も無い二人にとっては文字通りのブッツケ本番。ところが瓢箪(ひょうたん)から駒。これがNHKテレビに取り上げられ、スタート直前、谷川真理さんのインタビューを受けることに…。
 おかげで沿道のたくさんの皆さんから、「藤田さん、渡辺さん、テレビで見たョ。頑張ってぇ」と、名指しの声援。まるでトップ争いのひとこまのようです。4時間33分。満開の花たちの間を、僕らはトップランナーの気分で走りぬけました。
新潟県長岡市 藤田 芳雄(54)=市会議員

夫、復活の完走
 今年も長野マラソンに出場する夫のサポート役として、大会の前々日にやってきた。長野インターで高速道路を降りると緊張感から解放され、雪を頂いた山々が顔を出した風景を、味わい深く眺める余裕が出てくる。
 第1回から連続出場している夫だが、昨年秋に思いがけず手術を受け、40日間の入院生活を送った。一時はもうマラソンは無理かと危ぶまれたが、本人は復活へ執念を燃やした。京都御所を一周する元旦ロードレースを皮切りに、10km、ハーフマラソンを完走し、長野マラソンに挑むことになった。
 大会当日は午前5時に起床。車で南長野運動公園近くの駐車場に行き、スタート地点に向かう選手を乗せた輸送バスを見送った。フィニッシュを待つ間、設営やボランティアの人たちの活気ある動き、イベント、大型画面での実況などを見ていると、全く退屈しなかった。
 夫は3時間28分51秒でゴールインした。二人で、手術後初のフルマラソンの完走を喜んだ。
 私は、定年退職を機にマラソンを始めた夫と各地を訪れ、一流ランナーとの出会い、風景や人との出会いによって、交流が広がる喜びを味わっている。
京都市 渡辺美智子(62)=主婦

折り返しコースを
 長野冬季オリンピックを記念して始まった長野マラソン。今年も国内外の招待選手と市民ランナーが、オリンピック施設のある北信濃を駆け抜けました。
 私は初回から4回続けての参加。今回はけがのため思うような練習ができず、完走できるか不安でした。案の定、エムウェーブのところでいっぱいになり、何度もリタイアを考えましたが、大勢の方の声援が励みになり、何とか完走できました。
 世界の一線級選手と市民ランナーが、男女同時に走るのも長野マラソンの特長です。しかし、沿道で応援する方々は、間近に有名選手の走りを見ることができますが、参加ランナーのほとんどは、その影さえ見えません。
 片道コースのため、往復レースのように折り返して会うことがありません。折り返して、競技仲間と向き合ってエールを交わすのも、ロードレースのいいところ。まして有名選手の走りを擦れ違いながら見ることができれば、大きな思い出になります。沿道の方も同じ場所で2回応援できます。
 長野マラソンの意義、交通規制、警備の問題など、コース変更には難題が多いでしょうが、ぜひ検討していただければと思います。
長野市 石田 勇(49)=会社員